数字で見る都市部と地方の弁護士の違い
豊富な事件による力がつく環境
弁護士1人あたりの事件数
大都市に弁護士が集中しているため大都市では弁護士1人あたりの事件数はどうしても少なくなってしまいます。しかし、鹿児島のような地方では大都市に比べて1人あたりの事件数は大幅に多い状況です。
鹿児島 | 東京 | 大阪 | 福岡 | |
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弁護士数 | 211 | 18879 | 4562 | 1281 |
弁護士1人あたりの人口 | 7709 | 727 | 1934 | 3987 |
弁護士1人あたりの民事事件・家事事件の数 | 14.3 | 3.3 | 5.5 | 9.6 |
多様な相談
大都市の法律事務所では上記のように弁護数が非常に多いため、他弁護士との差別化のために、専門特化した所謂ブティック事務所が多く存在します。また、依頼者もその分野の専門の弁護士に相談したいというニーズが多いため、多様な相談をいただくというよりは、専門とする分野の相談を多くいただくという傾向が強いようです。
地方では専門分野を設けながらも多様な相談を受け付けている事務所が一般的です。そのため、多様な案件を数多く経験しながら成長できる環境は、大都市よりは地方のほうが多いかもしれません。
新人弁護士が一人前の弁護士になり活躍していくためには、数多くの事件を経験するということは、欠かせないことです。そのため、地方の法律事務所のほうが成長しやすい環境ではないかと当事務所では考えています。
経済的に豊かな生活
全国的にかわらない弁護士給与
一般民事を中心に扱う法律事務所は大都市・地方に関わらず全国に存在します。そして、その若手弁護士の給与は高い・低いは地域より異なるというよりは弁護士の力量によって異なるという印象です。また、新人弁護士の給与は事務所によって差がありますが、ひまわり求職求人ナビに掲載されている給与を見るとそれほど大きな差があるとは感じられません。また、それ以降はその弁護士がどのくらいの力量があるかで変わってきます。年間30件の事件を扱う弁護士よりは、年間100の事件を扱う弁護士がより多くの給与を受け取ることは当たり前のことです。そうするとどの地域で働くかというよりは、弁護士として力をつけられる環境かどうかということが重要かもしれません。
比較的多い国選事件
当たり前のことですが、弁護士が多い大都市より、地方のほうが弁護士1人あたりの事件数は増えるため、国選の事件も同様に地方のほうが多く経験できます。そして、それがなぜ重要かというと多くの法律事務所では国選事件はその弁護士が個人事件として一定の経費を事務所へ納めることで、報酬を受け取ることができるところが多いからです。事務所から支払われる給与以外の所得になりますので、国選事件が多い地方のほうが、経済的にもメリットがあります。
安い生活費
ご存知のように東京や大阪などの大都市は地方と比較すると生活費の中でも特に居住費(家賃)が大きく異なります。そのため、新人弁護士でおおよそ同じ給与をもらいながらも大都市と地方では自由に使えるお金が異なります。また、家賃が安いだけでなく借りられる部屋の広さも大分異なります。そのため、生活という点でも地方のほうが豊かな生活が送れるのではないでしょうか。
ワークライフバランス
裁量の多い働き方
これは大都市や地方で異なるというよりは、事務所によって異なることが多いかもしれませんが、一般民事を中心に扱う事務所では、各案件を1人の弁護士に任せることが多いはずです。そのため、弁護士として自身のスケジュール管理や仕事の進め方は多くの裁量を持って働くことが出来ます。もちろん新人弁護士は一定期間先輩弁護士と一緒に事件を行うことが、どこの事務所でも一般的だと思います。裁量が多いということは、自身の調整の仕方次第で働き方を変えることができるということです。
メリハリのある働き方
こちらも事務所によるところが多いと思いますが、地方の事務所のほうが比較的弁護士が帰宅する時間が早い印象です。しかし、事件数は少なくありませんので、メリハリのある働き方を大切にしている方は多い印象です。毎晩よる遅くまで仕事を行い、土日も事務所に出て必死に働くというよりは、平日の限られた時間で集中して取り組み、土日は趣味に時間を使いリフレッシュするという働き方です。